5年以内にメディア業界に起こる変化と、デジタル・IT時代に必要とされる人材
これから数年の間に、紙を中心としてきたメディア業界はデジタル・ITへのシフトが進みます。
様々な新聞・専門誌の電子版が現れ、スマホやタブレットでそれを閲覧するという変化は、もう止められそうにありません。
メディア業界だけでなく、一般企業が自社メディア(オウンドメディア)を持つという流れも今や主流になりつつあります。
そして、このようなデジタル・ITへの移行により、求められる人材像も変わります。
メディア業界では旧来は、紙が主流で、デジタル・ITは端役でした。しかし、今後はこの主客の逆転が起こります。
人材投入においても、デジタルIT部門ににその会社のエースを投入するという事が起こってきます。
これらの「既に起こった未来」に対して、メディア運営者としてどのようなスキルを付け、キャリアビジョンを持てばよういのでしょうか。
今後のメディア業界に起こる変化を予測し、展望をした書籍として「5年後、メディアは稼げるか―Monetize or Die?」を紹介します。
メディア企業の社員だけでなく、企業のオウンドメディア運営者にとってもお勧めの一冊です。
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・メディア運営において重要視される理系人材
旧来、紙のメディアにおいては記者・編集者といった文系の能力が求められてきました。
しかし、デジタル化・IT化のシフトにより今後は”理系人材”がメディア運営企業での存在感を増してきます。
ウェブデザイナー・プログラマーといったwebサービスのコードを書けるエンジニア、データアナリスト、データマーケティングのプロフェッショナル等の職種が、市場価値が上がります。
実際に、現在爆発的な人気を誇るキュレーションサービス、『GUNOSY(グノシー)』は東京大学大学大学院のエンジニアらが開発したものです。
また、元々文系出身者においても、デジタル・ITの土俵で競争力の高いコンテンツを作れる記者・編集者・ビジネスのプロ、新しいビジネスモデルを創れる営業担当者、経営人材の市場価値が上がるといわれています。
・個人が発信する情報が重視される
デジタル・ITのコンテンツ制作では、「個人のキャラ」がものを言います。
これまで、企業の発信というと、無難な内容をキレイな文法で書くといった方法が一般的でした。
しかし、このような情報はエッジが効いていないので読者にとって何も面白くありません。
デジタル・ITの世界では読まれなくなっています。
逆に主観を出し、個人の色がよく出た記事のほうが面白いので、よく読まれるのです。
その為には企業のオウンドメディア運営者も、個人のキャラを出し透明性をだしてゆく必要があります。
これは、個人の発信するブログなども同様です。
個人の色が出ている文章や筆者の独自の意見・透明性が必要となります。
・文章力よりも経験や知見のオリジナリティ
大手メディアにおいても、個人のブログにおいても、オリジナリティのある読み物が媒体力の源泉となります。
そこで大事になるのは、文章力よりも経験や知見の面白さとなります。
文章力は、差別化が非常に難しく、それだけで抜きん出るにはかなりの戦略性と研究が必要になります。
また経験や知見のオリジナリティの重要性が増すという事実は、コンテンツ制作においてのコラボレーションの形態についても影響を与えます。
例えば、企業側とメディア側がコラボでコンテンツを制作する事により、どちらか一方では作れないオリジナリティが生まれます。
人と人とのコラボでも、全く同じ事がいえます。
・リアルな体験が重視される時代
まとめると、これからのデジタル・IT時代には、「リアルな体験」が媒体力の源泉になるという事です。
個人としてのキャラ、個人としての意見。人と人、企業と企業とのコラボレーション、これらは全てオリジナリティのある「リアルな体験」となります。
逆に、システムでコンテンツを自動生成したり、小手先のSEO対策をしたりという事は現在のネット上で評価されなくなってきています。
楽してマネタイズする事がますます難しくなります。
メディア運営者である以上、自分のオリジナリティ、自分がどのように社会と関われば独自性のあるコンテンツが出来るかを考え、”今、ここにしかないリアル”を追求する事を強くお勧めしたいと思います。
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