クックパッドのビジネスモデル レシピコンテストに見る、ユーザー目線のネット広告
クックパッドというサービスを、今や知らない人はいないと思います。
「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」という理念をかかげ、日本中の多くの女性に愛されるレシピ投稿サイトです。
このサービスは、一般ユーザーが料理のレシピ投稿をする事で成り立つメディアでCGM(コンシューマージェネレイテッドメディア)に属します。
課金形態は【保存版】現役webサービス・ポータルサイト運営者が教える webサービスの3つの課金・分類方法でもご紹介したように、月額280円(税別)のユーザー課金と広告課金から成り立っています。
最近は海外展開や、ビッグデータの活用、育児の市場まで手を広げています。
サービス形態・ユーザーインターフェース・サイトの使い勝手・会員獲得フロー・表示速度に至るまで、サイトとして芸術品といえるレベルまで突き詰められています。
多くのwebサービスがクックパッドを模範にするように、日本発のwebサービス成功事例として素晴らしいサービスを展開しています。
そんなクックパッドについて、広告課金の形態を面白い形で紹介していた書籍があるので紹介します。
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・ユーザーから嫌われる広告と愛される広告
インターネットの課金形態は①広告、②ユーザー課金 ③物販(成約課金を含む)の3つです。
この中で、クックパッドのようにページビューが膨大なサイトになると①広告の価値が上がります。
実際に、ページビューを集めて広告ビジネスを展開しているwebサービスは多いです。
ネット上の広告というとサイトにベタベタ貼ってあるバナー広告が連想されます。
ひとつやり方を間違うとサイトの価値を下げてしまう単なるバナー広告は、web運営者においても賛否両論です。
正直、そのサイトを見に来た人にとってバナー広告は2次的なもの、言ってみればどうでも良い情報です。
貼り方によってはサイトを雑多にしてしまう、異物となります。
しかし、クックパッドはこの広告に対しても「ユーザーのための広告」を徹底していて、それを具現化した「レシピコンテスト」というユニークな企画広告を実施しています。
広告主の商品を使った、あるいはそれに合う料理のレシピをユーザーから公募し、グランプリや受賞を競う、というものです。
入賞者には、広告主からの商品の詰め合わせなどのプレゼントなど、賞品も出ます。
『600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス』の中で、クックパッドの広告を手がける小竹氏は以下のように語っています。
「広告ではあるんですが、ユーザーに楽しんでもらうことができることがやはり大きな特徴です。参加してもらうことでその商品のファンになってもらうことが出来る、とてもクックパッドらしい企画のひとつだと思っています。クックパッドのコンテストは仕組みがとてもシンプルで、ルールも明確。だから、だれでも参加しやすいという、という評価をいただいています。」
よく広告というとバナー広告が連想され、ネガティブな印象を持ちがちですが、クックパッドのように優れたコンテンツとして広告を展開する事も、アイディアによっては可能です。
webサービスを考える上で、『ユーザー視点の広告』というのはとても重要です。
どんな業種であっても、クックパッドのように広告を優れたコンテンツに変化させるアイディアが存在すると思います。
ベースとなるのは「あくまでユーザーの為に」という考え方で、その軸を安易にぶらさない事が大切です。
そして、いかにアイディアをひねり出すかが、サービス運営者の腕の見せ所です。
このようなユニークな広告が各社から競い合うように出てくれば、web広告手法の未来も明るくなっていくのではないでしょうか。
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